★★★白山キッズマイスター・2期生のチャレンジがスタート★★★
白山の広大なフィールドを教室に見立て、
ふるさとの大自然の素晴らしさ・大切さを、
次代を担う子どもたちに伝える「白山キッズマイスター育成事業」。
ことしも20人の元気な子どもたちが挑みます！

◎ドキドキワクワクの第1回
7月3日（日）。いよいよ2011年度のチャレンジ教室が開校します。
ことしは県内の小学5・6年生20名（男子12・女子8）が挑戦。
あいさつでは緊張しっぱなしの子どもたちでしたが、
かつ先生こと尾張勝也さんや谷野喜代子さんら講師の方々の言葉に
顔も緩んできました。さぁ、チャレンジ教室のスタートです。

真新しい登山靴が初々しい子どもたち。
去年は土砂降りのスタートだったことを思えば、
この蒸し暑さもガマンできるかな〜と思っていたら、何のことはない、
白山に近い森の中はひんやりと涼しいんです。

歩き出してすぐに「発見」がありました。
ドロの木の皮がべろんとめくれて、幹にはなにやら痕がついています。
いったい誰の仕業？？？

子どもたちからは、「クマ？」の声があがりましたが、
じゃあ何のためにこんなことをしたのか聞いてみると…
「虫を取る」、「自分の象徴」、「爪を研ぐ」…う〜ん、残念！

これは「クマハギ」といって、クマ（ツキノワグマ）が木の養分（水分）が豊富な
柔らかい部分を歯で削ぎとった痕なんです。
木は外側から成長するため、皮をめくったすぐ下に養分が流れています。
草花などの新芽など6月あたりに食べ物が少なくなると、
クマが木の皮を剥いで、栄養の足しにしているというわけです。

通常はスギの木が多いのですが、市ノ瀬はドロの木が多く、
なかなか珍しいものに遭遇したというわけですね。

そのクマや森の動物たちにとって、ことしはうれしい1年になりそうです。
ブナが2005年以来、6年ぶりに大開花を迎えたのです。
クマはブナの花も大好きですが、ブナの実は人間が食べてもおいしい！
ことしの秋は久しぶりの大豊作に恵まれそうです。

子どもたちもブナの実をちょっと試食。
そして、お約束（？）のトチの実も試食しました。
こちらはアク抜きしなければ食べられないほど苦い！
顔をしかめて、その苦さに驚く子どもたちでした。

◎ブナの森の恵み
そのブナの森は「天然のダム」とも言われています。
こちらも恒例となった傘を使っての実験。
木（森）がある山と何もない山に雨を降らせると、
何もないほうは水（雨）があっという間に流れてしまいます。

一方、森があるほうは水をしっかりと蓄え、
最後にちょろちょろと水を少しずつ垂らしています。
つまり、これが「わき水」というわけですね。

今回訪れた白山への登山道への一つ、チブリ尾根は、
途中、天然のわき水をいただけるポイントが2つあります。
通称・下の水場で喉を潤おす子どもたち。
飛びっきり冷たくて、体の心から癒される感じです。

「あ〜自然の水や」…こんなおいしい水をいただけるなんて、
子どもたちはあらためて森の大切さを実感したようです。

五感をフルに使ってアンテナを伸ばせば、いろんな発見がある。
かつ先生の言葉を胸に、最初は戸惑っていた子どもたちも、
多くの発見をし、仲間たちとの絆も深め合いました。

帰り道では、ふ化したばかりのモリアオガエルのおたまじゃくしや、
大きなカエルを丸呑みしているヤマカガシ（猛毒のヘビ）など、
驚くような場面にも遭遇しました。
これから1年間、どんな発見があるのか楽しみです！

★講師（50音順・敬称略）
　尾張勝也（白山ろく少年自然の家）、瀧澤ひろ子（いしかわ自然学校）、
　谷野喜代子（いしかわ自然学校）、藤川恭子（白山里）、

★サポーター
　金沢星稜大学・野外スポーツ部