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いしかわ大百科

2010年度

 いしかわ大百科

7月11日(日)7:30~8:00
ふるさと探訪シリーズ・わが街こころの風景⑤
『霊峰に恋して ~白山市~』

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霊峰・白山へ寄せる思いを探ります
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ことしの夏山開きはご来光に恵まれました

◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
7月1日は白山の夏山開きの日です。
今回のこころの風景は、標高2702mの霊峰によせる思いを探ります。

◎白山をこよなく愛した画家
ことしも夏山開きに合わせ、多くの登山客が足を運んだ白山。
登山の途中、加賀市から来たという若者のグループに話を聞くと、
「小さい頃から憧れていた」「日頃の感謝を込めて登ってきた」という、
ステキな答えが返ってきました。

そう、白山は石川県民のシンボル的存在であり、
たくさんの人のこころの中にある山なんだなぁ~と
あらためて感じました。

さて、標高2320m地点に、噴火で飛んできた溶岩が固まってできた、
「黒ボコ岩」があります。その大きな塊の1つに、
ある人物の肖像が刻まれているのをご存知ですか?

国立公園という大自然のど真ん中に刻まれているのは、
金沢市出身の日本画家・玉井敬泉(たまいけいせん)です。
敬泉は雄大な白山の姿に加え、ライチョウや高山植物などを
細かいディテールで描いた大家です。

晩年は白山の国立公園化の運動も先頭を切って尽力し、
昭和30年、国定公園指定に留まったときは悔しがったそうです。
残念ながら、同35年に敬泉はこの世を去りますが、
その2年後、晴れて白山は国立公園に昇格するのです。

ちなみに敬泉は目が悪く、晩年はわずかな光しか感じられないほどで、
棟方志功のように、キャンバスに目をこすりつけるぐらい近づけて
描いていたそうです。そんな敬泉を県立美術館の島崎丞館長は、
「自分のこころの中の白山を描いていた」と話してくれました。

今月3日からは白山市立鶴来博物館で、
特別展「白山の雷の鳥」が開催されていて、敬泉の作品はもちろん、
江戸時代から近現代の興味深い作品がズラリと並んでいます。
9月5日(日)まで開催していますので、ぜひ足を運んでみてください。

◎白山とともに生きた人たち
さて、白山といえば、「高山植物の宝庫」と言われるほど、花が豊富で、
7月から8月にかけて200種類を超える花を楽しむことができます。
山頂近くには、火山の噴火でできたと考えられている火口湖があり、
お池めぐりなどは人気の散策コースになっています。

北アルプスのように高度な登山技術を必要とせず、
それでいて手つかずの自然が残っている
のが白山のいいところ。
敬泉もそんな優大さに惚れ込んだんでしょうね。

晩年の敬泉は目が不自由だったと書きましたが、
では、どうやって登山したのか気になりますよね?
その創作活動を支えたのは、白山の名ガイドで知られた永井喜市郎です。

喜市郎は昭和9年の手取川大洪水を引き起こした白山の土砂災害で
壊滅してしまった市ノ瀬の出身。ここは白山の登山口でした。
本来なら白山を恨んでもおかしくないのに、
白山の登山口を守らなくてはならないと、わずか1年で復興を遂げます。

登山客のための宿を創立し、土木工事に携わる人の支援も行ないました。
砂防建設用の資材や室堂の食料などを運ぶ、
ボッカと呼ばれた「強力(ごうりき)」の組合長を務め、
晩年の敬泉もボッカに背負わせて、白山へと送り届けたのです。

喜市郎が建てた宿、永井旅館は今も多くの登山者を迎えています。
宿には敬泉が喜市郎のために書き下ろした絵がいくつもあり、
ご主人の富三夫さんは、「白山を愛する価値観」が同じだからこそ、
親交があったと話してくれました。

富三夫さんは1日に白山で執り行われる開山祭にも毎年訪れ、
先人たちの白山への思いをひしひしと感じています。

多くの人たちに愛され、多くの人たちに守られてきた白山。
その美しい姿をいつまでも残していくためには、
白山を大切に思う1人々々のこころも大事ではないでしょうか。

ふるさと愛を語ってくれた登山者
標高2320mにある黒ボコ岩
国立公園内に刻まれた玉井敬泉
敬泉を語る県立美術館・島崎館長
登山道に群落を作るキヌガサソウ
喜市郎の思い出を語る富三夫さん
敬泉が手がけた便箋のセット 白山室堂で売られていた!
開山祭で祈りを捧げる富三夫さん
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夕景の光の芸術にため息がでます
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白山は県民のこころの拠りどころ

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【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀

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