7月14日(日)7:00~7:30
シリーズ・近代の石川を支えた偉人たち⑤
『未来へはばたけ! ~東善作~』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
今から80年余り前、小型飛行機でアメリカ、ヨーロッパ、シベリアの
3大陸を横断した伝説のパイロット、東善作が今回の偉人です。
◎日本のリンドバーグ
羽咋郡南大海村(現・かほく市中沼)に生まれた善作は、
中学を卒業後、新聞記者となりますが、金沢での航空ショーの取材で
アメリカのパイロットたちが繰り出す曲芸飛行に触発され、
記者を半年で辞めて渡米します。
アルバイトで学費を工面しながら、パイロット養成学校に通い、
その飛行技術を磨いて、ついに飛行士のライセンスを取得します。
昭和5年(1930年)6月、善作は愛機「東京号」で
アメリカ、ヨーロッパ、シベリアを横断。
述べ18,000km、70日をかけて8月31日に日本に到着するのです。
人々は「日本のリンドバーグ」と称賛しました。
東善作研究会の金津五雄会長はこの偉業について、
「日本の航空事情の脆弱さを危惧して、何とか奮い立たせたい」
そんな思いがあったのではないかと語ってくれました。
また善作の甥にあたる高橋亘一さんは、
「自分は日本人なんだ」ということを強く意識していて、
里帰りしたときは毎晩のように飛行機の話を聞かせてもらったと
思い出深く話してくれました。
アメリカの市民権を拒否し、帰国後は飛行学校設立に奔走した善作。
県立航空プラザの吉永英明館長も、「彼は間違いなく偉人。
強い一途な気持ちと努力、行動力があればすごいことができる」と
訪れた子どもたちに話しているそうです。
◎石川の空事情
7月7日は能登空港が開港した日です。
ことしめでたく開港10周年を迎え、地方空港の優等生と言われています。
能登空港の特徴は、空港そのものが道の駅に指定されていることや、
行政センターがいっしょになることで、能登地域の人たちの
利便性が図られていること、そして最大の特徴が「搭乗率保障制度」です。
東日本大震災があった年以外は、すべてクリアしており、
地域が一体となって利用促進に力を注いでいることが分かります。
また隣接する日本航空学園では、未来のパイロットや整備士、
キャビンアテンダントが勉学に励んでいます。
すでに卒業生には航空自衛隊や民間の航空会社へ次々と就職しており、
能登から全国、世界へとはばたいています。
善作の精神が今もキラリと光る、石川の空への思い。
ぜひ、ご覧ください。
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【リポーター】平見夕紀