1月26日(日)7:00~7:30
シリーズ・ふるさと技模様⑤
『建具が描く ~田鶴浜・組子細工~』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
今回は日本建築に欠かせない建具に
美しい模様を施していく田鶴浜建具の技に注目します。
◎360年の伝統
生活スタイルの変化で少なくなっていく日本建築。
今では和室がないという住宅も少なくありませんね。
そんな厳しい時代の中で360年続く、
伝統の技を受け継いでいる職人たちがいます。
七尾市の田鶴浜建具です。
尾張の指物師がこの地に訪れて、
村人に技を教えたのがはじまりという田鶴浜建具。
城下町金沢や伝統的な日本家屋が多い石川・富山という
地の利を生かし、その技を極めてきました。
建具といっても、欄間や障子、帯戸などさまざま。
特に細かく加工した木を組み合わせて仕上げる「組子」は、
田鶴浜建具の真骨頂ともいえる匠の技です。
組子とは加工した木を釘を一切使わずに組み込んでいく技法で、
格子や花の形をしたものなど100種類以上の組み方があります。
幾何学模様のようなデザインはまさに芸術品。
寸分の狂いもなく正確に仕上げることが必要になるため、
技術だけではなく使う木材にもこだわってきました。
伝統工芸士の一人・岡野繁さんは、
伝統に裏打ちされた建具をもっと知ってもらいながら、
今の時代に受け入れられるような組子を作りたいと話します。
◎究極の技
一方、遠藤外数さんは当初4ミリの幅があった組子から
徐々に薄く、小さいものに挑み、1ミリの薄さの組子を扱っています。
4枚1組の作品に使う組子のパーツは、なんと6~7万個!
手先が器用な女性陣にも手伝ってもらいながら、
半年をかけて作り上げました。
この技が認められて、遠藤さんは48歳で現代の名工に認定されます。
今も業界に恩返ししたいと、その技の伝承に努めています。
近年は建具だけにとどまらず、あんどんやコースターなどの小物、
またビルの壁の設えなど、さまざまなところで
組子の模様を見ることができます。
時代が変わっても、残したい匠の技。
田鶴浜建具の職人たちが描く模様に迫ります。
いしかわ大百科
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【リポーター】平見夕紀