アギシコギクザクラ (石川県指定天然記念物) 輪島市門前町南カ26 阿岸本誓寺
門前町南は輪島市でも志賀町に近く、海岸線から少し入った里山のエリア。輪島市門前総合支所（旧門前町役場）からは、国道249号に出て6.5キロほど金沢・志賀方向に南下し、池田の交差点を江崎方向に左折して県道222号を0.8キロほど行くと門前町南の入口に相当する交差点に到着する。アギシコギクザクラがある阿岸本誓寺へは、この交差点を右に曲がると直ぐ。
アギシコギクザクラは、ヤマザクラ系の菊咲き品種で、藩政時代、この地区18カ村を阿岸郷と称したことに因むそうだ。約3.5センチの花弁を一輪に170～200枚つけ、5月上旬から中旬にかけて満開を迎える。つぼみから花の盛り、花が散る頃へと移り変わるにつれ、紅から桃色、淡雪色と七変化を見せる。阿岸本誓寺は、能登における浄土真宗の最古の寺院で、茅葺屋根の本堂は、1792年（寛政4年）に再建立されたものだが、樹齢については不明。北陸に多く見られる菊咲きのサクラ（菊桜）は、ほとんどが観賞用に人の手によって育てられたものだそうだが、このキクザクラがどうしてこの寺の庭にあるのかは分かっていない。