いしかわ大百科
2024.05.06 放送

シリーズ・歴史を重ねた大動脈②『手仕事の道~小松・能美エリア~』

シリーズ・歴史を重ねた大動脈②『手仕事の道~小松・能美エリア~』

 金沢城から京都までを結び、商いを目的とする人々の往来で栄えた北国街道の上街道。北国街道の宿場町であり、城下町でもあった小松の街道沿いには多くの商家が集められました。小松城を隠居城にした前田利常は、茶・畳表など地場産業の基礎を築き、自らの城下町を豊かにしていきました。中でも利常の奨励で大きな発展を遂げた加賀絹による豊かな経済力が「曳山子供歌舞伎」の文化を今に繋げています。

 小松の隣の宿場町・寺井は言わずと知れた九谷焼の町。大聖寺・小松・金沢と城下町で発展していった九谷焼の産地と違い、寺井の九谷焼は別の形で発展を遂げました。多くの人々と情報が行き交う北国街道の街道筋という地の利を生かし明治期には海を渡った寺井の九谷焼は「ジャパンクタニ」と呼ばれ外国の人々を魅了しました。現在、ジャパンクタニを輸出していた問屋の建物が1軒今も大事に守られ、九谷焼を学ぶ若者の展示スペースになるなど新たな文化を生み出しています。ジャパンクタニで世界に繋がった道に新たな九谷焼の歴史が重ねられています。

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かつての北国街道「北國とおり町」

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「こまつ町屋」が並ぶ

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高さ7m!龍助町の車山

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芭蕉も歩いた!能美市寺井町の北国街道

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裏側に絵が透ける「エッグシェル」

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ジャパンクタニの技