12月14日(日)7:30~8:00
シリーズ・ふるさとの手仕事①
『庭師の誇り 雪吊りの技』
◆◆◆石川の技に迫る30分◆◆◆
今回から新シリーズです。
石川県は全国に誇れる美術工芸や伝統産業がありますが、
地域の暮らしに欠かせない身近な手仕事も数多く受け継がれています。
ふるさとにしっかりと腰を下ろし、もくもくと打ち込む姿を紹介していきます。
◎金沢の冬の風物詩
城下町金沢の冬を彩る「雪吊り」が最初の技です。
北陸特有の湿った重たい雪から木々を守るためのもので、
兼六園ではクレーンなどの重機が入れないため、500本を超える樹木に
約1か月半かけて、のべ500人以上が作業にあたります。
雪吊りが必要な樹木には、松や桜、ツツジやアオキ、ヤツデなどがあり、
重い雪に耐える強さと美しさを生み出す知恵とその技には、
金沢らしさがあふれています。
毎年11月1日、兼六園のシンボルともいえる
名木「唐崎の松」の雪吊りから作業が始まります。
雪吊りには主に「しぼり」、「みき吊り」、「りんご吊り」の
3種類の技法があり、「唐崎の松」には「りんご吊り」が用いられます。
中心に立てた芯柱の上から100本を越える縄を投げ広げて
枝を吊っていきますが、松の木は常緑の葉で雪の重みが
ひときわ加わることから、最も念入りに作業されます。
冬の風物詩ともなっている「唐崎の松」の雪吊りは、
観光客も固唾を呑んで見守ります。
ベテランの庭師でも緊張するそうですが、1本目の縄を張り終えると
拍手が沸きあがるほど注目を集めるのです。
兼六園だけではなく、金沢を中心に県内各地の庭園や
個人の家々で施される「雪吊り」。
全国では金沢の庭師を招いて、その技術を習得し、
「兼六園方式」と名づけるほど認められた技なのです。
庭師たちの美意識や伝承される技、そしてそのこだわりを探ります。
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀