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石川県内の巨樹・桜「能登町・芦田家ののとキリシマツツジ」

芦田家ののとキリシマツツジ


芦田家ののとキリシマツツジ (能登町指定天然記念物) 能登町中斉ア-117-1 芦田家
 主幹周31センチ 樹高3.3メートル 枝張り6メートル
                                                               (のとキリシマツツジ連絡協議会計測)

中斉は能登町の真ん中からやや西に位置し、珠洲道路(県道275号・57号重複区間)が走るものの、多くを森が占める静かな地区。町村合併の前は柳田村役場だった能登町柳田庁舎からは、県道26号を西方向の穴水方面に1.1キロほど行き、町野川に掛かる年化橋を渡って100メートル先の三叉路(正確には間に細い道もある)を左折、3.8キロほど行くと珠洲道路にぶつかる。これを右に曲がって穴水・のと里山空港方面に1.1キロほど進むと中斉となる。但し、芦田家ののとキリシマツツジへは、約450メートル手前にある神和住交差点を左折し、約160メートル入っていった先。珠洲道路からでも、花の時期は植えられたのとキリシマツツジで芦田家の庭が深紅に染まっているので一目でわかる。
庭の中央に、能登町の天然記念物に指定されているのとキリシマツツジはある。推定樹齢350年以上、3系統7品種あるのとキリシマツツジの1つ「八重霧島」(二重咲き)で、能登町柳田周辺ののとキリシマツツジでは最も大きい。このツツジの後ろに大きく戸を開け放った小屋が建っている。実はこれはレール式の移動小屋で、雪囲いの役目を果たしている。筆者はご当主の芦田秀秋氏(故人)に何度かお会いし、電動ウインチを使用した小屋の移動を見せていただいたことがある。その際、ご当主は「雪から守ってやらなければならないし、囲ったままではツツジによくないので、日に何回も小屋を動かすことがある」と語っておられた。「それは大変な手間ですね」と答えると「いやぁ…」と言ったきり、その後は語らず微笑んだご当主の顔を思い出す。「先祖から受け継いだツツジを毎年、咲かせる事の労は惜しまない。人に愛でてもらえればそれでよし、人が居なけりゃ自分だけで楽しむよ」とでも言いたかったのでなかろうか。これがのとキリシマツツジを守っておられる方々の共通した姿のように思う。庭には挿し木で増やしたツツジが沢山あり、後を受け継いだ夫人が世話をされているが、夫のようにはいかないとこぼされていた。過疎化が進む能登ではあるが、地域の宝としてのとキリシマツツジを残していっていただきたいと願わずにはいられない。
※画像はのとキリシマツツジオープンガーデンとして庭を公開されていた際に撮影したもの
 幹周や樹高などの数値計測のため、現地に出向いていただいたのとキリシマツツジ連絡協議会のご協力に感謝申し上げます  
  

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