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石川県内の巨樹・桜「能登町・吹上家のカヤ(吹上の大師榧)」

吹上家のカヤ(吹上の大師榧)


吹上家のカヤ(吹上の大師榧) (能登町指定天然記念物) 能登町越坂17-31 吹上家所有地
 幹周330センチ(3.3メートル) 樹高16メートル 樹齢不明
           (石川県巨樹の会企画・編集「改訂 石川の巨樹・巨樹林ガイド」より)

越坂は、美しい景観で知られる九十九湾の北から東に掛けての海岸線を含む。地区の構成としては、住宅や宿泊施設などのほか、田畑と合わせて5割、残りが森林といったところ。旧内浦町役場だった能登町内浦庁舎からだと県道35号を小木・九十九湾方面に南下。1.4キロほどいった総合運動公園前交差点を右折し、更に約500メートル先の九里川尻の交差点を右折。一旦、県道35号を離れ、町道を2.9キロほど道なりに進むと越坂に入る。このカヤへは、更にこの町道を約700メートル進み、再び県道35号に合流する丁字路を小木・九十九湾方面に右折するが、わずか約100メートル先で右側の坂を上がって行く道に曲がり、約250メートル進むと到着する。カヤは左側の森の中に建つ大師堂の脇にある。あくまで個人の所有地であり、駐車スペースも無いことを理解していただきたい。
現地の案内板によると、ここにはカヤの巨樹が2本あった。所有者の家に、1831(天保二)年に弘法大師を開祖とする真言宗の僧が書いた書物があり、そこに「この地は往昔、伽藍堂塔薨(こう)を並べ、弘法大師、求聞寺の密法を修し、法成就の後、壇上の瓶花を左右に植えた霊木である」と書かれているそうだ。残念ながら1本は、1928(昭和3)年の暴風で倒れてしまった。更に案内板には、1807(文化4)年、加賀前田家12代当主の前田斉広が碁盤を作るため、領内のカヤの木を尋ねたおり、十村(加賀前田家の領内の農政制度 農村を管理監督するため村を束ねる豪農に特権を付与したもの 肝煎や庄屋の上位)がこのカヤのことを報告したが、斉広はその由来を聞いて、「霊木として斧鉞を加えるべからず、国宝とせよ」と厳命されたとある。ここでは能登町指定天然記念物名で紹介しているが、その他にも「大師山のカヤ」や「ヒダリマキのカヤ」とも呼ばれている。歴史ロマンあふれる巨樹である。

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