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石川県内の巨樹・桜「津幡町・蓮如上人お手植えのイチョウ」

蓮如上人お手植えのイチョウ


蓮如上人お手植えのイチョウ (津幡町指定天然記念物) 津幡町笠池ケ原ロ195
 幹周980センチ(9.8メートル) 樹高29メートル 樹齢不明
           (石川県巨樹の会企画・編集「改訂 石川の巨樹・巨樹林ガイド」より)

笠池ケ原は、津幡町の北東に位置し、一部が富山との県境に接する。山間ではあるが、古くから開墾されて田畑が多い。津幡町役場からの経路については、幾つかの選択肢があるが、分かりやすいのは役場を出てシグナス通りを約450メートル北上、庄南交差点を右折し、約500メートル直進すると、津幡交差点から道が県道218号となる。この先は、交わる国道にとらわれず、6.3キロほど県道218号を道なりに進み、鳥屋尾地内の三叉路を左に曲がり、約200メートル進むと笠池ケ原の端に到着する。イチョウへは、更に約350メートル進み、三叉路を右折。1キロほど大きく曲がりくねる坂道を上っていくと、笠池ケ原の集落入口の三叉路となり、それを左に入って約40メートル行くと、左手に大きいなイチョウが見えてくる。
蓮如上人お手植えのイチョウは、公園として整備してあるものの、周辺には墓も点在するやや寂しい場所に立っている。地上約2メートルで幹が2つに分かれて、更にそれぞれ枝を大きく広げる姿は貫禄がある。蓮如(1415(応永22)年~1499(明応8)年)は、室町時代の浄土真宗の僧で、本願寺派・大谷派の礎を築いたことから「本願寺中興の祖」と呼ばれる。1471(文明3)年、越前に吉崎御坊を建立し、1475(文明7)年に退去するまで、北陸での布教に努め、親しく交流したことから人々は今も「蓮如さん」と呼び、非常に近い存在として親しんでいる。笠池ケ原にも一向宗(浄土真宗)の説教場を建立した。ある日、蓮如は住民たちを前に、毎日、用いていたイチョウのハシに「花が咲いても実はなるな」と唱えつつ、境内の一角に植えた。幾日も経たないうちに芽を出し、生長したのがこのイチョウだとされている。実をいうと蓮如に関しては様々な伝承・伝説があり、津幡にはイチョウとウメの違いはあるものの同様の話が他地区にも残っている。蓮如に対する尊敬の念や親しみが、こうした伝承や伝説という形で語り継がれてきたのであろう。ハシの話の真偽は分からないが、この地に説教場があったことは確かなようで、そこから算出されたこのイチョウの推定樹齢約540年というのも、間違っていないように思える。

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